ごとう隼平

▼東京ネームタンク代表/コルクスタジオ編集長/京都芸術大学准教授 ▼マンガのストーリー…

ごとう隼平

▼東京ネームタンク代表/コルクスタジオ編集長/京都芸術大学准教授 ▼マンガのストーリーを研究する人 ▼小学館サンデー編集部に10年間通って出版社のノウハウを学び、同時にストーリー構造を研究 ▼マンガ文法を広め、楽しくマンガを作り届けられる世界を目指しています!

記事一覧

想いが強いタイプほど、作品が届かない罠

排出型の作家さんは、世の中に対して伝えたいこと、メッセージがはっきりしていることが多い。 と言うのは、これまでも話した通りだ。 そういう作家さんは、特に物語の中…

ごとう隼平
40分前
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あなたは何系?マンガ家「水見式」

先日、排出型と萌え型の話をしたときに、ハンタの念能力のようだ、と言うリプをいただいた。 ほんとにその通りだと感じる。今日は、マンガを描く人なら簡単にできる、マン…

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描けないものは、描けないって話

これまで2000人以上、漫画を描く人たちと作品を作ってきた。そんな中で作品を描けなくなってしまった人をたくさん見てきた。 技術を持った漫画家さんでも、描けない、と言…

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内と外、強みをどこに持つべきか

コルクラボのストレングスファインダーの理解を深めるための会に参加した。その中で冒頭、講師の方から、強みと言うと、外に持ちがちだ、と言う話を聞いた。 確かに、資格…

ごとう隼平
2週間前
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なぜ連載漫画は、結末未定のまま始められるのか

たまに聞かれることに、世にある多くの連載漫画は、結末が決まっているのですか?と言うものがある。 バッチリ決めている人もいれば、予定外のタイミングで連載終了する可…

ごとう隼平
1か月前
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本気で原稿に向かうから、分かることがあるって話

根性論にも近いけど、漫画は感情を描くから、キャラを掴むのに「根性」で迫るというのは、意外と近道なのかもしれない。 今、ちょびさんと言う新人の漫画家さんの打ち合わ…

ごとう隼平
1か月前
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想いが強いタイプほど、作品が届かない罠

想いが強いタイプほど、作品が届かない罠

排出型の作家さんは、世の中に対して伝えたいこと、メッセージがはっきりしていることが多い。 と言うのは、これまでも話した通りだ。

そういう作家さんは、特に物語の中盤後半に強みを発揮する。 キャラを深掘りクライマックスで感動を呼ぶテーマを描くことができる。

逆に弱点もある。 序盤中盤から、 読者の心をときめかせるような、ウキウキワクワクを描くことに、 本人がウキウキワクワクしなかったりする。

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あなたは何系?マンガ家「水見式」

あなたは何系?マンガ家「水見式」

先日、排出型と萌え型の話をしたときに、ハンタの念能力のようだ、と言うリプをいただいた。

ほんとにその通りだと感じる。今日は、マンガを描く人なら簡単にできる、マンガ家専用の「水見式」を紹介したい。

ハンターハンターの念能力は、自分の系統の能力以外を使うこともできる。ただ、それは相当のエネルギーを消耗してしまう、という設定だったと思う。

これとまったく同じで、排出型の人が萌え型の描き方をするのは

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描けないものは、描けないって話

描けないものは、描けないって話

これまで2000人以上、漫画を描く人たちと作品を作ってきた。そんな中で作品を描けなくなってしまった人をたくさん見てきた。

技術を持った漫画家さんでも、描けない、と言う場面に何度も直面した。

なぜスキルがあるのに描けないのか。

それは決してやる気がなかったり、才能がなかったりするわけではない。でも描けないことが続くと、自分を信じられなくなってしまう。

なぜ描けないのか、そのほとんどの理由ある

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内と外、強みをどこに持つべきか

内と外、強みをどこに持つべきか

コルクラボのストレングスファインダーの理解を深めるための会に参加した。その中で冒頭、講師の方から、強みと言うと、外に持ちがちだ、と言う話を聞いた。

確かに、資格、スキル、何か点数として評価できるもの。地位や名誉と言うものも、自分の強さを表すものかもしれない。

でも、そういう自分の外にある強みは、追い求めると苦しい、とも言われていた。外にある強みは、手に入れても、他にも手に入れている人がいるから

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なぜ連載漫画は、結末未定のまま始められるのか

なぜ連載漫画は、結末未定のまま始められるのか

たまに聞かれることに、世にある多くの連載漫画は、結末が決まっているのですか?と言うものがある。

バッチリ決めている人もいれば、予定外のタイミングで連載終了する可能性を考え、いくつかのエンディングのパターンを作っている人もいる。

でも、新人の場合は、3話くらいのネームで、連載会議に通るので、開始時点で結末のことまで考えてない、と言うこともよくあるのではないかと思う。

結末を決めないで始められる

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本気で原稿に向かうから、分かることがあるって話

本気で原稿に向かうから、分かることがあるって話

根性論にも近いけど、漫画は感情を描くから、キャラを掴むのに「根性」で迫るというのは、意外と近道なのかもしれない。

今、ちょびさんと言う新人の漫画家さんの打ち合わせに、経験豊富な、ベテランと言うと嫌がるかもしれないけど、こしのりょうさんにも入ってもらっている。

ちょびさんがキャラクターを掴むのに、やや苦労していて、その理由もまだ探っている最中だ。主人公を、作者と重ねるのか、それとも眺めて描くのか

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