物語の全体を掴む方法は、デッサンと同じって話
マンガ専科の中で、物語の大きなカタチを掴むために、既存作品の第一話を、4枚の紙しばいにする、という課題に取り組んでもらった。
40人近い参加者が挑戦してくれて、4枚紙しばいがずらっと並んだ。この数だからこそ見えてくるものがある。
今回僕の予想とちょっと違う結果があり、だからこそ得た感覚があった。
4枚の選び方はこんな感じです
〇〇な主人公が
〇〇な状況になっちゃって
〇〇を乗り越えて
〇〇を手にいれる
ストーリーとは、主人公が何かを手に入れるまでの道筋だ。抽象化するとどんな物語も、こんな感じにまとめられる。
僕は予想では、「わかるわかる、そのマンガなら、そういう話だよね」と、4枚を見た時に、そういう納得感のようなものが芽生えるかな、と思っていた。
結果としては、そこを選ぶんだ!という、一枚ずつの選択に、想像したより自分の感覚とズレを感じた。
バラける理由は、よく考えたら、明白だ。1連の物語の中から4枚を選ぶと言うのは、無限とも取れる選択肢がある。
この課題に特に明確な答えと言うものはないけれど、この4行を読んだときに、なんとなくの納得感を生む、そのためのコツがありそうだ。
明確なコツは研究中。ただ一つ言えるのは…
自分が4枚を選ぶとしたら、自然と、物語を大きく突き放し、遠くの山を見るような感覚で眺めていることに気づいた。
静物デッサンでも、近くでガリガリ描いていると形が狂う。だから、たまに席を立ち、遠くから自分の絵を眺めて、全体像を確認する。
ストーリー作りも同じことが言えるのだと思った。物語の世界に近くなるほど、没入するほどに、その物語の道筋は見えなくなる。
没入しきれば、人生と同じだ。右の道を行くか左の道を行くか、どちらが最良のゴールに続くのか、Y字路の前では絶対にわからない。
めちゃめちゃ引いてみて初めて、どちらの道がゴールに続くのかが見えてくる。
3行まとめ
選ぶべき4枚、物語の中での大事なポイントは、たぶん読みながらでは気づけないのだと思う。
読み終えて、いったん頭の中でどんな物語の流れ、どんな山であったのかをイメージする。その頭の中のイメージから肝要なポイントを見出していく。
自分の作品でも、この山を遠くから見て、こんな感じね、と掴めるかどうか。その納得感があるのとないのとでは、描き進める安心感がまるで違うと思う。
できごと
マンガ専科の課題を見た
感情
驚き、興奮
気づき
自然とストーリーを引いて見ていた