クリエイターは知って欲しい、絵やマンガの「今」の学び方
今の若い人たちは、本当に絵がうまい。
その理由は、小さい頃からpixivなどでたくさんの上手な絵に触れ、YouTubeなど描き方の動画も潤沢にあるからだ、と言う説をよく聞く。
でも、その理由は、本当にそれだけなんだろうか。
マンガの学校をやっていると、学習の仕方と言うものが、すごい勢いで進歩しているのを、日々感じる。
なぜ高校生が160キロの速球を、投げられるようになったか
僕が子供のころは、日本人は体格的に、160キロは投げられない、と言うことをよく聞いた。
でも、今は160キロを投げる投手はいるし(オオタニサン!)高校生でも150キロ以上を投げる選手がたくさんいる。これがなぜなのか、野球に詳しい人に聞いてみたことがある。
今の人たちは、自分の投球フォームを録画して、すぐに自分で確かめ調整する。そのサイクルが早い。またその試行錯誤により、自分自身の理想の投球フォームを知っているのだと言う。それが大きな違いだと。
また別の話で、高校生たちに直接、SNSの使い方を聞いたことがある。彼らが言うには、インスタは、面白いもの、今の流行りを知るところ。TikTokは、遊ぶところ。自分たちのダンスを撮って投稿するのだと言う。これも、遊びながら上達するのだろうな、と感じた。
自分を客観的に捉える、と言う重要性。これは当然、体を動かす分野に限らない。絵や漫画を作る、クリエイターの人は、身に沁みて分かっているはずだ。
スポーツでも、クリエイトの分野でも、若い世代の人たちは、その大切な「客観的に見る力」を、動画やAIを駆使して、ものすごい勢いで進化させている。
学校的な学び方は、古くなりつつありそう
僕が東京ネームタンクを作ったのは、漫画の描き方の知識が、出版社や一部の漫画家など、蓄積される場所が偏っていて、誰もが手に入れられないことを問題に感じたからだ。
みんなの漫画の描き方を整頓して、貯めておく。シンクタンクのような場所が必要だと思って、始めた。
でも、それからちょうど10年。時代は分散型に変わりつつある。Xからblue skyへ。中央集権的なものはどんどん分散型に変わっていく。
学校で言えば、教師やカリキュラムに主体があり、生徒がそれに従う形で学習する、このやり方はとても中央集権的だ。
むしろ今は学びの中心は、生徒自身になってきている。学び方、成長の仕方は、生徒自身が自分に最も合う形を、考え、身につける。
3行まとめ
たくさん描いて、たくさん見返す。そして上手な人や先に行く人をよく観察して、自分との違いを探す。SNSやコミュニティーから、アイデアや感想を共有し合う。
カリキュラムから学ぶのではなく、相互に学び合う。これがこれからの時代の学び方だと強く感じている。
自分自身をオープンにして、学び合うことを、どうか恐れずに。これからの学びの中心は「あなた」なのだから。
できごと
マンガ専科で一斉に課題に取り組んだ
感情
嬉しさ
気づき
講師が何も教えなくとも、学びは豊富