描けないものは、描けないって話
これまで2000人以上、漫画を描く人たちと作品を作ってきた。そんな中で作品を描けなくなってしまった人をたくさん見てきた。
技術を持った漫画家さんでも、描けない、と言う場面に何度も直面した。
なぜスキルがあるのに描けないのか。
それは決してやる気がなかったり、才能がなかったりするわけではない。でも描けないことが続くと、自分を信じられなくなってしまう。
なぜ描けないのか、そのほとんどの理由
ある程度スキルを持った漫画家さんが、描けなくなってしまう理由のほとんどが、創作タイプによるものだと感じている。
自分の内面や葛藤、成長やメッセージ性を描くことに長けている漫画家さんに、キュンキュンの関係性を描くことを求めたり、
逆に、尊い推しのキャラや関係性を描くことにたけている作家さんに、キャラの深掘りやテーマ性を描くことを求めたり、
この作家の作品作りへのモチベーションの種類は、原作にも演出にも影響する。好きで見てきた作品も、このモチベーションにより異なるから、ストックされている表現も偏りがあるのだ。
創作のエネルギーがぶれると、本当に描けない。
ネームタンクやマンガ専科で、排出型や萌え型など、創作のエネルギータイプを重視するのは、性格診断のようなもので楽しみたいからではない。
排出型、萌え型を理解することが、作品を確実に作り上げるために何より大事なことだからだ。
コルクスタジオの編集部では、作品が止まってしまったときに、まずこのタイプを疑う。スキルややる気の話はその次だ。
作家が描きたいモチベーションと、読者、編集者が読みたいと期待するものがズレていないか。もしずれていそうな場合は、企画段階から徹底的に議論する。
ネームをこねくり回して、どうにかなる問題ではないのだ。
3行まとめ
もちろんスキルややる気、も大事だけれど、創作のエネルギーに着火できていれば、それらは両方とも自然と高まっていく。
排出型、萌え型と言う考え方は、僕たちの編集部のみならず、すべての編集部に広まって欲しいなと願っている。
排出型の企画の作り方に、ちょっとした発見があったので、また次回お話ししていきます!
できごと
編集部で企画の話をした
感情
安心
気づき
タイプの意義など、何度も語らないと伝わらない。