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「伝わらない」を前提としない唯一の広告クリエイティブこそ、マンガなのかもしれない

こんにちは、マンガスクリプトDr.のごとう(@goto_junpei)です!

来月10月7日,8日の2日間、僕が准教授を拝命している京都芸術大学にて、マンガ家およびマンガ家志望者向けの短期オンライン講座を開催致します。

今回はマンガ家のマネタイズを主なテーマに、ファンクラブ支援・PRマンガを中心とした「職業・マンガ家」として生きていく方法、そのために必要な能力について、しっかりと講義させていただきます。

めちゃくちゃ募集中!めちゃくちゃ締め切り近いですけど!


京都芸術大学の学生さん以外も大歓迎のオープン講座ですので、特にPRマンガ(広告マンガ)の執筆にご興味のある方は、ぜひ以下より詳細ご確認ください。

※なお受付はすでに終了しております


・・・という感じで、いきなり僕の広告から話を始めてみましたが(笑)、今回は僕が個人的に感じている「広告」という存在の捉え方、機能や効果についてお話したいと思います。


広告の価値を生むのも、結局広告? 広告とコンテンツの関係性


僕は広告は完全に素人なんですが、考えれば考えるほど「広告」という概念・存在は面白いなーと思っています。

そもそもテレビもネットも一部の雑誌も、ある意味では広告のために存在しているわけで、それはつまり「広く知らせる」とうことが難しいからこそ、多くのお金を払う価値が生まれるわけですよね。

逆に言えば、ビジネスとしての広告価値が高騰するほど、「ただ良いものをつくるだけでは売れない」という証明になってしまうともいえます。

つくっただけでは世の中には広まらない、だからこそ広めるための装置が必要になるし、その装置の開発や運用のコストは広告によって賄われる。

その装置とはテレビ番組かもしれないし、アドセンス広告かもしれないし、プラットフォームかもしれないし、マンガかもしれない。

そのいずれであっても、広告費があるからこそ、開発(制作)や運用が可能となるわけです。

当たり前ですが、Googleでさえ広告の収益のおかげで成り立ってるわけで、そういう意味で広告という機能の持つ力って面白いよなーと以前から思っていました。

さらに面白いのが、こんなに広く知らせる力を持っているにも関わらず、広告はみんなから嫌われたり、飽きられたりしている存在であることです。

コンテンツを知ってもらうためには広告が必要なのに、その広告をみんなに見てもらうためには、広告がコンテンツになっていなければならない。

広告のそんな構造や状況って、冷静に考えたら相当不思議じゃないですか……?

さらに、「そうすると、あれ、良いものつくれば結局売れるってことでいいのか・・・?」みたいな気持ちにだんだんなってくる。(笑)

考えれば考えるほど不思議だし、それでいて多くのビジネスの根幹を支えている広告という仕組みを考えた人は、本当にすごいと思うんですよね。

集客に困ったらみんな広告打つし、稼ぎ方は広告収益に頼るし・・・

もちろん広告に投下する費用以上の稼ぎがあるからこそ広告が打てるわけですが、本当にそれで世界はちゃんと回ってるのだろうか・・・と、時々勝手に心配になってしまいます。(笑)

伝わる時間に限りあり。広告とは「何を伝えるか」ではないか

続いて、広告の「機能」ではなく「効果」について、クリエイティブを中心に考えてみましょう。

おそらく広告っていうのは「(商品やサービスの)中身と、伝える時間のバランス」で成立するクリエイティブなんだろうなぁと勝手に思っています。

伝える時間っていうのは、フォーマット次第で大きく変動するので、それにあわせた設計が必要になります。

例えばポスターであればせいぜい数秒、TVCMであれば15秒か30秒、そういったフォーマットごとに決められた尺(伝える時間)の中で、どれだけのことを伝えられるか。

ポスターもCMも尺としては一瞬しかなく、中身の良さをじっくり見てもらえる時間は無い中で、クリエイティブとしてどの部分を切り出すのか。

そこで最大限の効果を発揮すべく、広告クリエイターの皆さんはずっと試行錯誤を続けているのだと思います。

例えばユニクロは、機能も値段もすごく頑張っているのはお店に行って商品を触ればめちゃくちゃ伝わってくるのですが、15秒や30秒のCMではどうやったって細かい説明は無理じゃないですか。

だったら、無理に説明しようとするより、綾瀬はるかさんにいい感じに着てもらい、いい感じに動いてもらって、「なんかいい感じだな」という印象を残したほうがいいという選択が生まれるわけです。

もちろん「綾瀬はるかさんが着てるから買うぞ!」となるわけではありません。

でも、無意識に、あるいは同系統のお店の商品と購入を迷ったりした時、「なんか綾瀬はるかさんがいい感じに着てたやつだし、ユニクロにしようかな」となるのは絶対ありますよね。

あと、僕が個人的に昔から気になってるCMが「みすず学苑」なのですが、こっちはもう綾瀬はるかさんとか比較にならないぐらい何も伝わらない。

そもそも顧客層にいない僕には関係ないCMではあるのですが、それにしたって何もわからない。わからなすぎる。。。

でも、CMを打つ側にはちゃんと狙いがあり、効果もバッチリのようです。ホームページにすごくしっかり書いてありました。

要約すると、「あのCMの魅力がわかる・良いと思う生徒にきてもらう」ことを広告としての目的であり、僕には「伝わらない」がむしろ正解。
実際に長年の集客につながっているわけですから、しっかり「伝わる」広告として機能している、と言えるでしょう。

 ※なお過去CM一覧はこちらからご覧になれますので、興味あればぜひ。


「伝わらない」広告コンテンツにおいて、「伝わる」のがマンガという手法

最後に、広告制作に関する本や講座ではよく言われている言葉ですが、広告をつくるうえでの前提になるのは「広告は伝わらない」という意識を持つことっていうのは、よく考えたら相当面白いですよね。

全部は伝わらないからこそ、伝えられる時間が非常に限られているからこそ、インパクトやイメージのどこを持ち帰ってもらうかの設計が大切になるわけです。

そう考えると、広告としてのマンガは、ポスターやCMと比べて「中身の良さを伝えられる時間」が非常に長いと言えるでしょう。

そもそもポスターやCMは「視界に入るだけ」の状態が前提となるので、インパクト勝負になるしかない部分があります。

一方マンガは、視界に入らない=読まれない、となる場合ももちろん多いですが、一旦手に取ってもらえれば基本ある程度は読まれるので、中身勝負にできるという強みがあります。

広告としてのマンガの強みはまさにここで、「商品やサービスの本質的な良さについて、ある程度の解説ができる」「こう売りたい、というクライアントの気持ちを表現できる」数少ない手段、と言えるかもしれません。

逆にマンガ家側としても、ポスターやCMに比べれば長いとはいえ、ダラダラと描いて読んでもらえるわけではない以上、「何を伝えるか」の選択が問われるクリエイティブだったりもするのです。

・・・おぉ、なんかマンガの広告ってすごくいいじゃないですか!(笑)

そんなわけで、最後にまた僕の広告に戻らせてもらうのですが(笑)、コルクではいわゆるPRマンガを「ブランディングマンガ」と位置付け、サービスとして展開しています。

このnoteでコルクのサービスをちゃんと伝えたの、初めてかもしれないぞ・・・?


こちらのサービスについては、込めた思いなども含めしっかりと説明したいので、詳細は以下記載のホームページにて紹介をさせていただきます。

インパクトではなく本質的な良さを広告として伝えたい方、物語の力で読んだ人の心を動かす広告クリエイティブに興味を持たれた方は、ぜひご覧ください。

綾瀬はるかさんでも、怒涛の合格でもきっと表現しきれない商品やサービスの本質的な魅力を、マンガという手法でならお伝えできるかもしれませんよ。

というわけで、珍しくコルク社員っぽい動き(広告)ができたところで、また次回。さよなら〜!

<追伸>
日清紡も、名前は知ってるけど、なんの会社かいまだにわからないんですよね・・・。本当の意味でCMどおりなので、これも見事に狙いどおりってことですかね・・・?

広告は本当に奥が深い・・・深すぎるぞ・・・!

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ごとう隼平
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