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あなたのマンガがぐんぐんよくなる、「フィードバック」の魔法

こんにちは、東京ネームタンク代表/コルクスタジオ編集長のごとうです。

今回は、マンガを学ぶうえでぜひ知っておきたいコツをひとつお伝えしたいです。

それは、フィードバックの受け方。

これがうまくなると、マンガそのものもきっとぐんぐん上達するので、ぜひ身につけてほしいのです。


1.人からのフィードバックの言葉は、気楽に受け止めて!

明日から、僕が講師を務める「コルクラボマンガ専科第6期」という講座がスタートします。

その中で僕は、課題を提出してくれた受講生ひとりずつに、フィードバックとしてコメントを返しています。


(※第6期の募集は終了しています)

では、そういう誰かからのフィードバックって、どう受け止めるのが正しいと思いますか。

一字一句逃さず聞いて、言われたことをすべて速やかに実行すべき?

正解は、「まったく聞かなくてもOK」

少なくとも僕の言ったことについては、100%無視してくれてかまいません!


基本的にフィードバックやアドバイスは、それを聞いたあと、その漫画家さんのモチベーションが上がることが大事だと思っています。

聞いたあとに描く気がなくなったら、なんのためのフィードバックなのか。
正論や正しいことだけでは、創作はできあがりません。

ですから、めっちゃノリノリで描けるな!というものを実行してくれたらいいし、さらに自分ならこうした方がもっとノリノリで描ける!というものを描いてくれるのが一番嬉しい。

とくに、こうしたらいい、という解決法は、たくさんある解決法の一つでしかありません。問題が解決するのなら、どんな方法でもいいはずですよね。


2.対症療法ではなく、原因を突き止め、解決案を考えよう!

僕は作品にフィードバックをする側として、「ここをこうしたらいい」といった、その場の解決策だけ示して終わりにするのは、できるだけしないよう気をつけています。

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(※募集要項に掲載している、僕の講師メッセージです)


講師としては、解決策を示すだけでいいなら、実はすごく楽なんです。

解決策はわりとたくさん思いつきますからね。

例えば「肩こりがひどくて……」と相談されたとき、やれ鍼がいいんじゃないかとか、こんな体操を毎日してみてとか、まず食生活を見直してとか、思いつくまま挙げられるのと同じです。

でも、そうした対症療法をいくら列挙しても、それで本当に肩こりが治るかどうかは疑わしい。

仮にその原因が「内臓が弱っている」だったとしたら、体操してみてもよくならないどころか、よけいに悪化しそうじゃないですか。


フィードバックも同じです。

その場しのぎの解決策を示すだけじゃ、やっぱりダメなんです。

なぜその現象が起きているのか、根本の原因を突きとめ、その解決にはこういう方法があるんじゃないかという策を複数示す。

そうしてこそ本当に役立つアドバイスになるはずだと僕は考えていますし、それを実践したいと常々思っています。


3.短所をつぶしていっても、作品はよくならない!

逆に、フィードバックを受け取る側に気をつけてほしい点を挙げるなら、ダメなところにばかり目を向けないでほしいということ。

自分の作品をよくしたいと思ったとき、ついしてしまいがちなのは、ダメなところを見つけてつぶそうとすることです。


でもじつは、ダメなところをいくら減らしても作品はよくなりません。
それをやっても、ただ「フツウ」になるだけ。


どんな作品にも欠点はあるし、アラを探そうと思えばいくらでも見つかります。

ダメなところはパッと目につくから、指摘もしやすい。
けれどそれを指摘して取り去っても、あまり意味はないのです。


誰もが知るヒット作にだってアラはたくさんありますが、そんなことは作者も読者も気にしていない。

それよりも、その作品のいいところ・輝くところ・持ち味がとことん強調してあり、読む側はそこを存分に味わい、楽しんでいる。

長所の輝きによって、アラが見えなくなっているわけです。


フィードバックする側として僕は、「あなたの作品のここがいい」と、できるかぎり伝えようとしています。

だから受け取る側のあなたも、自分のダメなところにばかり目を向けようとせず、自分の良いことを活かすために何をするか、を考えて欲しいです!


4.ほかの人の作品へのフィードバックを、しっかり利用しよう

さらに、講座などに複数の人が参加している場のフィードバックの時間では、もうひとつ心がけてもらいたいポイントがあります。

それは、

自分以外の人がフィードバックを受けている時間こそ、大事にしてください

ということです。

講師をしていると、受講者の方からよく言われることがあります。
「私へのフィードバックの時間が、ほかの人より短かったんですけど……」と。


気持ちはよくわかります!


僕もできるだけおひとりずつと、しっかりと向き合っていきたいですし、気をつけたいと思っています。

なのですが、それと同時に言いたいのは、


ほかの人へのフィードバックにも、よく耳を傾けてみて!


という点です。


なぜならその中には、自分の作品に対しても当てはまる内容が、必ずあるはずだからです。

作品がうまくつくれないときの原因やその対処法に、そんな無限なバリエーションがあるわけではありません。

結局のところ、悩みどころや落とし穴の多くは、ほかの人とも共通しているものです。

だからこそ、ほかの人へのフィードバックこそよく聞いて、それを我が身に照らして咀嚼してみるのをおすすめします。

それに、ほかの人の作品に対してのフィードバックのほうが、作品自体を客観視できるはずです。

作品は、ちょっと距離を置いて見てみるほうが、いいところも足りないところもよく見えてくるものだと思います。


マンガを描いているときはみんな、自分の作品に没頭していることでしょうし、もちろんそれでいい。

でも、いったんペンを置いて講義の時間となったら今度はちょっと引いた視点を持って、自分やほかの人の作品を眺めるようにする。

特にどうしたらこの作品をよくできるのか、という視点を持ってもらいたいです。

そうして「客観視する経験」を重ねていけば、そのうち自分の作品もうまく客観視できるようになっていきます。


みなさんも講座などを受講された際、ほかの人の講評の時間は、ぜひそうやって主体的に利用してみてくださいね。

自分だけの作品を作ろうとすると、一年に2,3本というペースになってしまいますが、みんなの作品を自分の経験にできたら一度に50作品分の経験ができてしまいますよ…!

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最後に、コルクラボマンガ専科についても少し……。

専科の講義では、みんなで同じテーマによる課題に取り組んだりしますから、いい意味で他者との比較がしやすくなっています。

他者との比較から、自分の特徴をつかみやすくなると思います。

お互いに利用し利用されながら、まわりの仲間といっしょに成長していけたら最高じゃないですか。

コルクラボマンガ専科が、みんなで切磋琢磨する場になれば何よりです!




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ごとう隼平
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