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「好き」と言えるあなたは、創作の第一歩を踏み出してる。

ごとう隼平

こんにちは、東京ネームタンク代表/コルクスタジオ編集長のごとうです。個人のnoteをしばらく動かせないままでいたけれど、これからここで発信をしていきます!

今回は、「改めてnoteやります」についての僕なりの理由、このnoteで何を発信したいかなどについてお話しさせてください。


1.ごとうは、マンガ編集者・マンガスクリプトドクター

久しぶりだから、まずは僕が何者なのか、ちゃんと述べるところから始めますね。

肩書きでいえばマンガ編集者、マンガスクリプトドクター。マンガの「教室であり研究所」を掲げる東京ネームタンクの代表で、コルクラボマンガ専科の主任講師。

物語の構造を研究・体系化し、それを伝え共有して、みんなの創作を促すことのプロフェッショナル。

と、いうことになるのだけれど、じゃあ具体的にはどんなことをしてるのか? わかりづらいかも……と自分でも思ってしまう。

ならばこれまでのあゆみをざっと振り返るのが、わかってもらういちばんの近道になるかもしれません。


僕はもともとマンガ家でした。

週刊少年サンデーの増刊誌でデビューしました。その後は編集部に出入りしながら次作を描くも、担当編集からなかなか掲載のオーケーが出ない。


なんで通らないんだろう? 何があるとマンガはできあがるのかな? 物語には何が必要なんだっけ?


模索し、考え続ける日々。

いや、手がかりがないわけじゃなかった。打ち合わせで、ヒントらしきワードはたしかにいろいろ出てくるから。

編集いわく、「ドラマが足りないんだよな」「キャラクターがやっぱり弱いから」……。

ほかにも「エピソード」「カタルシス」「クライマックス」などなど、マンガをおもしろくするための魔法のワードは、たくさん飛び交った。

でも、それらの言葉が正確には何を意味していて、どういう組み合わせでどんな順序で使えばいいのかは、さっぱりわからない。

いっそ編集側からはっきり示してくれたらいいのに、そうもいかない。いつも魔法のワードを投げかけられて、はい終わりとなってしまう。

これはひょっとして……。

さては誰も知らないんだな?

と気づきました。

物語の要素と構造、おもしろいマンガのつくり方についてのちゃんとした教科書なんてどこにもないし、生き字引もいないようだ。それで僕も含めてみんなが混乱しているんだ。


2. みんなの「ネーム」をなんとかするのがお仕事です

だったら自分で整理するしかないな。そう思い立ちました。

そこから研究を重ね、マンガの教室兼研究室として東京ネームタンクを立ち上げました。看板を掲げたのは2015年のことです。

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名前からして、「ネーム」にこだわっているのは一目瞭然。そう、マンガ家が最も行き詰まるのがネームであり、それを教えてくれるところがまったくないのは、経験上よくわかっていたので。

ネームをなんとかするよ! いっしょにできるようになろう! というのは、最初から明確なメッセージとしてあったのです。

始めてみると、すぐにたくさんのマンガ家がつどってくれた。やっぱりみんな同じ「モヤモヤ」を共有していたんだなと実感しました。

当初から、チームでマンガをつくることも視野に入れていました。ディズニーやマーベルのアニメ・映画づくりに倣いつつ、そこに個人の想いが色濃く入る日本のマンガづくりの手法を融合させることを模索したかった。我流のつくり方を押し通すマンガ家が何人集まっても、きっとぶつかり合うだけでうまくいかない。けれど僕らは、ひとつの体系化された知識と言語で創作を語れるようになろうとしている。それができれば、チームでのマンガづくりもきっとスムーズにいくはずだ。


実際に僕らの作ったチームがすでに連載をしており、成果はきっちり出始めています。

マンガづくりの構造論を確立すること。そして実際に多くの人に届く作品を生み出し、マンガ家の知識を体系化していくこと。

そんな目標に向けて順調に進んでいたつもりだったのですが、数年前から僕らの前に、ひとつの壁が立ちはだかるようになりました。

それはいわば、ビジネススキルの壁。

2019年あたりから、チームでのマンガづくりをより強化しようと動き始めてみると、出版社を相手に契約なり何なりとビジネス上の交渉を重ねなければならなくなってきました。

相手は大きな会社で、ビジネス面でも百戦錬磨のツワモノ揃い。こちらはマンガ家ばかりの集団で、当然ながらビジネス・ネゴシエーションなんて得意なわけがない。どうしても契約面その他で遅れをとってしまうことが続いた。

そこでともに進もうと組んだのが、コルクスタジオです。

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作家エージェンシーとしてスタートした会社コルクが、新たに立ち上げた新人マンガ家育成の場。

チームでの創作を志向するなど思想やビジョンに近しいものがあって、くわえて僕らに圧倒的に足りない交渉力などのビジネススキルを兼ね備えている存在でした。

次第に深くコミュニケーションをとるようになり、現在は東京ネームタンクでの活動はもちろんのこと、コルクスタジオの編集長としても動いています。

常に新しい作り方に挑戦し、技術と知識を蓄積し、マンガ家同士で共有する。そう考えて身の振り方を決めてきたつもりでいます。


3.「発信」が大事! 隣の人の言葉にこそ価値がある

と、ここまで自己紹介代わりに、「僕がやってきたこと」のあらましを述べました。

そんな僕が、なぜいまnoteで発信をしていきたいと強く思ったか。

ひとことで言えば、

「好きを発信する」ことが、だれにとってもとても大事な時代になった!

と感じているからです。

コロナ禍にあるここ数年は、世界中のみんなが怖さと不安と孤独を抱えることになりましたね。そうして、なんとかすこしでも一体感やつながりを持とうと、もがいている。

何をするにもリモートが当たり前になって、外に出る機会は減りました。となると、インターネット上でどう居場所を見つけていくかが、生きていくうえで重要なキーになる。SNS上でのつながりが、自分にとっての命綱みたいになってきました。

人は日々、SNS上でありとあらゆるやりとりをするようになっています。必要な情報を集めたり、ときに悲しいかな罵詈雑言が飛び交いもするけれど、かなりの部分は「好き」の表明と交換に使ってるんじゃないか。

「あれが好き」「こっちのがいい」「この作品、見てみて!」「あなたも気にいると思うよー」

などと伝え合っていることが多いでしょう?

もはやだれしも、SNS上でつながっている人の発言を何より気にしたり、信用しているように見えます。

マンガでも映画にしても、お店やファッションについても、SNS上の近しい人がおすすめしていたものなら摂取してみたいという気持ちが湧く。

大手メディアがオススメしたり、有名人やインフルエンサーが主張することより、隣の人の言葉にこそ価値がある。

そんな時代になってきたと思います。


4.「何が好きか」でクリエイターになれる時代の意味

それぞれの「好き!」の交換が何より大事なコミュニケーションであり、人に影響を与えて気持ちを動かすようになっている。ということは……。

好きの表明それ自体が、ものすごくクリエイティブな行為ってことじゃないですか。

「私はこの作品が好き」と思い、その気持ちを素直に発信することは、すでにもうほとんど創作です。

自分の好きという気持ちを絵と言葉にして表現しているマンガ家と、やっていることは何ら変わりませんよね。

ちょっと前から、
「SNS全盛の世では、だれもが発信者でありクリエイターになれるんだ」
という言説はあって、僕は明確にイメージができないまま主張を聴いていたけれど、いまはよく腑に落ちる。

みんなの「好き」が行き交い、刺激し合える場であるなら、SNSはこれからもっとすごくいい世界になっていきそうで楽しみです。

この流れはきっと、さらに加速するんだと思う。

これからメタバースの世界が広がって、みんなが自分のアバターを持つようになったとき、アバターで何をするのか? 「私はこれが好き」という発信に決まってるから。

「何が好きか」は、そのままその人のアイデンティティであり存在そのものになっていくと僕は思っている。

自分は何が好きなのか。それをちゃんと見つめることが、今後はもっともっと重要になっていくし、「あなたは何が好き?」と、一人ひとりの声をたくさん聞いて回りたいです。その過程で、おもしろい作品というのは生まれてくることになるでしょう。

だって「好き」を発信してさえいれば、すでにその人は創作を始めていることになるんですから。

好きの表明と発信。もちろん僕自身もどんどんしていきたい! 

僕はマンガを構造的に読んで、なりたちを明らかにするのが好き。その研究成果を用いて新しい創造を生み出す力になれれば、何よりうれしい。東京ネームタンクやコルクスタジオで僕は、仲間といっしょに、自分の好きなことを極めようとしています。

そうして生まれた僕の「好き!」を発信する場が、たくさん欲しい。その大事なひとつとして、このnoteがあるのです。

最後にあらためて

以上が、「改めてnoteやります」についての僕なりの理由でした。

折々に考えたこと、活動のご報告や告知、そして「好き!」の表明、これから毎週していきますね。

まずはみんな、大きな声で好きって言ってみませんか。

それだけであなたは、もうとっくに創作の第一歩を踏み出しているよ。



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