『喧嘩独学』3億3700万viewの秘密!
マンガスクリプトドクター的に解説する、このWebtoonがすごい!
急に思い立って始めた第2弾はLineマンガ『喧嘩独学』です!
なんだか訳わからないView数になってますね…桁がわからん。
3億3715万view!一体何がそこまで惹きつけるのか、その秘密に迫ります!
シナリオ診断的に見ると、一見筋が怪しく見えた
『喧嘩独学』どのようなお話かというと、いじめられっ子である主人公が、ケンカを配信して動画配信サイトで成り上がっていく、というストーリーです。
筋が難しく感じる理由の一つとして、読者の興味を引くポイントが複数あり、中でも大きなものが
「ケンカで再生数がすごく伸びることに気づいちゃう」ということと「喧嘩独学という格闘技指南の動画を見つけてしまう」というのが2つあること。
興味を引くポイント、ネームタンクやマンガ専科では「コレドナ感」これどーなっちゃうの感、ですね。これが複数あるのはとてもまとめるのが難しくなります。
さらにこれがスムーズに連動しているわけではなくて、レクチャー動画で強くなっても、だからと言って、絡まれたり喧嘩する状況に陥らないと配信するものもないし、強くなったから再生数が上がるものでもない、という、生かし合える関係にはなっていないのも難しく感じます。
主人公も何をしていくストーリーか掴みにくい
ストーリーは、当然ですが主人公が最終的に何らかのゴールに辿り着きます。『喧嘩独学』の場合、それが何になるのか、これも僕が読んだ7話目までの段階では複数考えられて、絞られてはいなかったように思います。
主人公が何を望み、何を達成していく話なのか、ということが掴めず、その都度都度の状況で興味を引きつづけ、先を読ませていくので、シナリオ作るのも大変そうだな…と思いながら読みました。
いったい何が読者の気持ちを掴み、離さないのか
でも、大人気作品です。必ず読者を掴むポイントがあるはず。
ということを一晩考えていたのですが、何となく見えてきたことがあって…
いじめとかって、僕の学生時代も問題になっていたけど、(それこそ「人間・失格」とか社会問題になっていた)
とはいえ今もニュースは事欠かないし、結局令和の世でも変わってないのかな、ということ。
むしろ、大人たちに隠すこと、上手くなっているのかもしれないな、とすら思いました。
そんな中で『喧嘩独学』は、「え?そこも配信するんだ?」とか「そこを逆に見せるんだ」とか、
「何を人前で晒して、何を隠して見せないのか」ということを、読者として楽しんでいるな、という体感を再認識しました。
配信されながらも、いじめっ子から守るために、好きな人の前で、裸っになってパンツを下ろそうとしたり、
何が人前に出して、恥ずかしいことなのか、そして、かっこいいことなのか、
このマンガはそこを問うている、と改めて気づきました。
何よりもテーマが定まっている
主人公が何を追っていくのかが分からない、と先に書きましたが、テーマが見えてきたことで、一段抽象度を上げて考えると、見えてくるものがあります。
この何が評価されるか分からない世の中で、本当の強さ、本当のかっこよさとは何なのか。
主人公はその答えを求めている。その答えを、独学で、見つけるまでの物語。
そう捉えると、とても筋が通っているし、
これは現代人なら、誰もが知りたい、欲しい答えなんじゃないかな、と思いました。
いじめてたハマケンは、その本性を出した迷惑系ニューチューバーで人気を得るし、遊んでいるような奴が大金を稼ぐ、そんな理不尽な世の中で、何を信じられるのか。クラスメイトの格闘家はそのヒントを、真のカッコよさを知ってそうでもあります。
多様な価値観が認められる代わりに、評価も多様になり、誰もが誰かの評価を気にしている。
一体僕たちは、そんな世の中で、人にどんな姿を見せ、晒していけばいいのか。
読めばその答えが見えてくる。それが『喧嘩独学』なのだなと思います。
YouTubeでも話してます
おまけ:ここから有料部分
マンガスクリプトドクター的に見て、この作品のここはこんな感じにもできるのでは?という別案など書いていきますね!10行くらいのものなので、より追求したい描き手でなければ、課金いただくまでもないと思います!
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