マンガ編集者は、溢れるスイッチバック愛で木次線の廃線を阻止できるのか!?
こんにちは、マンガスクリプトDr.のごとう(@goto_junpei)です。
最近、江上英樹さん(@TETSUHEN)という編集者の方と、毎週のように取材や打ち合わせをご一緒させてもらっています。
江上さんは、小学館で『IKKI』の編集長など歴任された方で、現在60歳。僕はこれまで60代の方とお仕事したことなかったので、なんか難しい年齢層なのかなぁというイメージが勝手にあったけど、全然そんなことなく話しやすい方でした。
というより、「こういうふうに歳をとりたい、こういう60代になりたい!」と思わせてくれる、僕にとっては未来の希望みたいな存在です。(笑)
そして江上さんがマンガ以外で有名なのが、なんといっても鉄道のジオラマ作り。
とにかくめちゃくちゃ上手くて、雑誌とかにもバンバン載ってる方。特にスイッチバックが大好きで、界隈では「スイッチバックの第一人者」と称されれています。
うん。まぁ鉄道好きな人じゃないと、うまくイメージできないと思いますが(笑)、やはりどんな道にも第一人者はいるわけです。
そんなスイッチバック界隈の中で、「日本最高のスイッチバック」を擁すると言われているのが、奥出雲の木次(きすき)線です。
木次線を救え! スイッチバックの第一人者が立ち上がった!
そんな木次線ですが、実は利用者数の問題から、なんと廃線になる可能性が報じられているような危機的状況に陥ってます。
そこで立ち上がったのが、スイッチバックの第一人者である江上さん。
奥出雲の人と協力してマンガ原画展やったり、「ほぼ日」で連載企画やったり、東京でジオラマと鉄道マンガ展を開催したり・・・etc とにかく意欲的な活動を展開しているんです。
8月13日までは、「出発進行ー! ジオラマと鉄道マンガ展 がんばれ! 山を登る列車・木次線」というイベントも開催されていました。
その中で、「木次線でマンガをつくりたい」となり、僕のところにもお話をいただいたわけです。
そもそも江上さんが編集長だった頃から、「IKKIって、鉄道マンガ多くね?」と言われていたのですが・・・(笑)
それでも、これまで企画を持ちかけられたことは数多くあれど、自分からというのは初めてのことだとか。
それだけ木次線に本気ということですが、僕にとっては、マンガ編集者としても、一人の鉄道好きとしても、大変嬉しいお声がけでした。
現在、担当のマンガ家さんと三人で、連載の実現に向けて日々がんばっています。
「好き」の力って本当にすごい、を木次線と江上さんに教えてもらっています
それにしても江上さんが企画を持ち込む先は、とにかくみんな「鉄道が好き」という気持ちでつながっている印象です。
それで実際企画が進んでいくわけですから、好きの力ってやっぱりすごい!
廃線を阻止できた事例なんか今までないだろうに、JRを動かそうという壮大なプロジェクトにチャレンジしているわけです。
奥出雲町の町長もすごく僕らによくしてくれるのですが、マンガ企画の話をするとテンションがあがるのだとか。
なんでも、全国の人に「木次線を救ってほしい!」とお願いしてもなかなか自分ごとにしてもらえないが、「マンガをつくったので応援してくれ!」はすごく言いやすいそうです。
みんなが関心を持てる。
作品の力って、やっぱりそういうことですよね。
木次線の件については、江上さんの「守りたい!」という強い気持ちで突き動かされています。
あとは、その好きな気持ちに、ちょっとしたアイデアがあるかどうか。そこに乗っかり切る企画にできるかどうかだけだと思います。
僕も鉄道好きだからやってられるけど、そうじゃなかったらやや分からないですもん、この企画(笑)。
やっぱり好きって気持ちは、何よりも大事なんだなぁと実感しながら取り組んでいます。
「好き」が無いのが悪いんじゃなく、好きが有るのは運が良い。
最後にですが、何かにハマる・好きになるっていうのは、タイミングであり運だと思っています。
「描きたいものがないんです・・・」って悩んでる人は、実際けっこう多い。でも、それは単に描きたいほど好きなものに出会ってないので、モチベーションがないだけ。出会ってないんだから、当たり前です。
だから好きなものが無いって人はそれを責めてはいけないですし、逆に好きが有るって人は運が良かったんだと思いましょう。
もちろん出会いの母数を増やせば好きなものが見つかる可能性は高くなるので、いろいろ出会う機会を自ら作っていく姿勢は大切です。
でも、恋人がいない時に「そんなの、いっぱい出会えばいいじゃん!」とか言われても、ちょっとイヤですよね(笑)。
マンガでも恋愛でも、好きに出会うためには自分のペースで頑張っていきましょう。
というわけで、好きが溢れすぎてるこちらの投稿を眺めながら、また次回! さよなら〜!